初夜 夜も更けたころ、阿高は自室で苑上と向かい合って座っていた。 二人とも白の単の寝巻き姿だ。 阿高と苑上のすぐ横には、並べて敷かれた寝床がふたつあった。 いつもと変わらぬ阿高の自室なのだが、今夜からは藤太のかわりに苑上がいることが 大きく違っていた。 昨日まで、女部屋で眠っていた苑上も、今日からはここで阿高と一緒に眠るのだ。 今日、二人は祝言をすませたのだから。 「疲れただろう」 阿高が問うと、苑上は静かに首を振った。 そして言った。 「わたくしたち、夫婦になるのね」 「ああ」 うなずいたものの、いまさらながら阿高は不安になった。 「鈴はいやか」 すると、苑上は微笑んだ。 「いいえ。だって阿高だもの」 そして、苑上は笑みを浮かべたまま、阿高の首に腕をまわした。 (終) ---------------------------------------------------------------- すみません、「君の名残を」の某カップルに影響されてこんなものを 書いてしまいました(汗) 書きながら、あまりの恥ずかしさに「ぎゃー!助けてー!」と叫んでました(笑) 楽しんでくださる方がいらっしゃれば(いるのかな・汗)幸いです。 ぴっころ 拝 2004/12/26